急に春めいてきた金曜の午後、京都市美術館で開催の「第66回 京都染色美術展」に行ってきました。

あらら。今回の会場は太陽光の入る北側ではなく、南側です。
昨秋ここでは伊藤若冲展があり、若冲の絵の飾られていたガラスケース内に、きょうは麗しいきものが展示されています。

一枚の葉を形づくる色彩、色数を極く抑えたグラデーション、

細かい絞りで描き出される大きな流れ、柄を浮かび上がらせる細密な刺繍・・・

京友禅・京鹿の子絞・京繍の匠たちによる作品は、近づいて見れば見るほど「着られる美術品だな〜」と溜息。
暗い照明、ガラスケース・・・という環境での素人写真なので、実物の素晴らしさを伝えられないのが残念ですが。

出品社は、染匠市川、絵絞庵、木村染匠、京正、染の小阪、染繍工芸鈴木、関谷染色、多ち花、手描染匠富宏染工、
成謙工房謙蔵、藤井絞、丸太遠藤、村山刺繍店、矢野染芸、吉川染匠、という京都染織美術協会の15社。

今年は酉年なので「鳥」をテーマにしました、というところや

おだやかなトーンなのに、着たら舞台衣装のように映えそう、と思う作品もありました。
 

特別出品の帯は
河合美術織物、河村織物、滋賀喜織物、紫紘、白綾苑大庭、藤田織物、都、という西陣手織協会の7社。

圧倒されるほど豪華な袋帯。こちら ↓ の豪快で大柄の帯、昨年は蟹でしたが、今年は鷲?とネコがいました!

帯といえば、ふだんにも使える九寸なごや染め帯も人気ですよね。
今回の京都染色美術展、テーマ展は「染帯展 京の雅」。染め、絞り、刺繍、各社各様の雅な帯が雛壇を飾っています。


 

画面には載せていませんが・・・会場にいらっしゃる出品社の方たち(着物姿の男性たち)。
数年前から、なんだか若い人が多くなったな〜うまく代替わりしているのかな〜と思っていたので、聞いてみたら。
「第60回を越えてからは、30代40代が中心になってやっているんですよ」とのこと。どうりで!

とくに振袖は、古典柄を用いてモダンかわいい雰囲気を出していたり、

色づかいや柄で埋めない空間づくりにも、いまの感覚、若い女の子たちの好みを上手く表現しているように感じます。

他社の作品を見て研鑽を積む・・・そんな姿も印象に残りました。
 

例によって会場内は撮影禁止のところ、全体の雰囲気を、ということで許可を得て撮らせていただきました。
撮れなかった意匠の細かいところにこそ、技と美の真髄あり。ぜひ、ご自分の目で、お楽しみください。

18日(土)19日(日)は、こちらを見てから、すぐ近くの「みやこめっせ」第22回 京手描友禅作品展を見る
という贅沢もできちゃいますよ〜!