きもの好きには、女優さんの着物姿や演歌歌手のステージ衣装も、映画やテレビを見る楽しみのひとつ。
着物の色柄、着こなしや髪型など、着物姿は役柄そのひとや歌詞の世界を表現していたり、しますよね。
でも、小説に描かれた人物の着物、しかも著者が「谷崎潤一郎」なら・・・想像の域を超えそう!?
通俗なテーマにして芸術性の高い純文学作品、ときにスキャンダラスで波乱万丈。谷崎潤一郎の生きた描いた着物世界を、アンティーク着物で再現した展覧会が開催されます。
谷崎潤一郎をめぐる人々と着物
~事実も小説も奇なり~
谷崎潤一郎は「もう少し長生きしたら、ノーベル文学賞を受賞した」と言われ、世界的に評価の高い小説家です。
「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、谷崎はその生涯自体が、まさに波瀾万丈で驚愕のエピソードに満ちています。実生活の出来事は作品に反映され、主要な登場人物は実在した人々をモデルに造形されました。
本展では、小説家・中河與一が谷崎潤一郎の生涯を書いた作品「探美の夜」に添えられた田代光の挿絵(初公開原画数十点)を用いて、谷崎の人生を辿りつつ、谷崎文学の登場人物のモデルになった人々に焦点を当て、紹介していきます。彼等が着用した着物や装飾品の数々も御覧いただきます。
さらに、彼等をモデルとして創作された作品の登場人物の装いを、アンティーク着物で再現しました。谷崎は着物にこだわりの強い作家で、衣裳は登場人物たちのキャラクター表現の一端を担っています。
社会の枠におさまりきらず、世間から非難と好奇の目で見られることも多かった谷崎の、生涯、モデルになった人々、そして悪魔的な文学の魅力を、着物と挿絵で堪能いただきます。
会 期:2021年10月2日(土)~ 2022年1月23日(日)
イベント10:30〜16:30 休館日:月・火・年末年始
会 場:弥生美術館 千代田線「根津駅」南北線「東大前駅」
入場料:一般1000円/大・高生 900円/中・小生500円
公 式:弥生美術館
弥生美術館の入館料だけで、同じ敷地内にある「竹久夢二美術館」もご覧いただけます。
*入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要です。ご予約の詳細は公式案内 → こちら
竹久夢二美術館で同時開催!
30のキーワードでひもとく竹久夢二展
~これであなたも夢二通!~
大正ロマンを象徴する画家・詩人の竹久夢二(1884-1934)は、美人画やデザイン、また詩文も手掛け、さらに恋愛と旅を重ねた人生も注目を浴び、時代が令和になった今も人気を集めています。
本展は、夢二の作品や人物像を理解するために、知っていると役立つ30のキーワードから、その美の世界と人生をひも解く試みとなり、夢二入門としておすすめの展覧会です。夢二に関するキーワードをチェックしながら、多彩な作品をお楽しみください。