この夏、最大級の見ごたえとなりそう!奈良県立美術館で開催の「特別陳列 日本の伝統文化を知る 江戸時代のきもの」。
いちばんの見どころは『日本画家・風俗考証家として活躍した吉川観方コレクションから約100件の染織作品』が展示されること。この規模での展示は2011年1月の館蔵品展「小袖〜近世服飾の華〜」以来13年ぶり、さらに他の美術館からも重要文化財などの染織作品が出品されるそうです。
涼しい美術館で、江戸時代と来る秋に想いを巡らせながら、まったりどっぷり浸る、きもの時間を♪


(以下、奈良県立美術館の公式案内より転載させていただきます。)
特別陳列 日本の伝統文化を知る 江戸時代のきもの
日本伝統の装い、きもの―今もなお見る人を魅了する美と技の世界
日本の民族衣装として認知され、礼服や晴れ着として着用されている「きもの」。きものは古くは「小袖」と呼ばれ、室町時代後半ごろに表着として定着して以来、日本における一般的な衣服として着られてきました。明治時代になって本格的に洋服が導入され、またそれが時代と共に普及しても、きものは日本の文化を象徴する衣装であり続けてきました。現在でも七五三や成人式といった節目では多くの人がきものを着ますし、夏祭りの夜にはゆかた姿で出かける人をしばしば見かけます。着る機会こそ少なくなりましたが、ある種の憧れと親しみを感じさせる、魅力的な衣服だと言ってよいでしょう。
そのような「きもの」ですが、分かっているようで説明できないことも多いのではないでしょうか。きものの前身である小袖はいつから存在し、どのような経緯で主要な衣服になったのか。形の上ではほとんど同じに見える「打掛」「帷子」「単衣」などは、どんな違いがあって呼び分けられるのか―このような疑問をたどっていくと、日本の服装の歴史や、きものに関わる素材や技術の多様さを知ることができます。
本展では当館所蔵の吉川観方コレクションから江戸時代の女性のきものを中心に展示し、日本の伝統文化の一つである「きもの」の変遷を振り返ります。当時の技術と意匠によって生み出された豊かな服飾文化をお楽しみください。
■ 展示構成
序 :人生の節目を彩るきもの
第1章:「きもの」はいつからあるの?―きものの前身「小袖」、その成り立ち
第2章:きものの種類いろいろ―着方、素材、着る季節
特集展示:帷子の模造を試みる
第3章:江戸時代のきもの―技法の発展と意匠の変遷
第4章:身分による装いの違い 武家の小袖、公家の小袖
■ 出品件数(予定)
120件(出品件数の合計、会期中に展示替えあり)
作品種別の内訳:染織(小袖類・帯・裂など)99件 / 絵画 18件 / 版本 3件
展示件数の内訳:通期展示 57件 / 前期のみ展示 33件 / 後期のみ展示 30件
[前期] 7月13日(土)〜8月4日(日) [後期] 8月6日(火)〜8月25日(日)
会 期:2024年 7月13日(土)~8月25日(日)
イベント月曜休館(ただし7.15、8.12は開館)、7.16(火)、8.13(火)
会 場:奈良県立美術館 → アクセス
入館料:大人600円、大学・高校生400円、中・小生200円
公 式:奈良県立美術館 公式案内
会期中のイベント
■ 講演会 「江戸モード史を語る!唯一無二の奈良県美きものコレクション」
講師:小山弓弦葉氏(東京国立博物館 調査研究課課長)
日時:7月21日(日)14時~(13時30分開場・約90分)
場所:当館1Fレクチャールーム(60席・当日先着順)
※13時からレクチャールーム前にて整理券を配布いたします。
■ 美術講座 「館所蔵の帷子を模造するー制作を通して見えたこと」
講師:飯島礼子(当館 指導学芸員)
ゲストスピーカー:北本益弘氏((有)北本染芸)
日時:8月11日(日)14時~(13時30分開場・約90分)
場所:当館1Fレクチャールーム(60席・当日先着順)
■ 担当学芸員によるギャラリートーク
日時:8月3日、8月24日(いずれも土曜日)14時~ 展示室にて
*各イベント参加には当日券をお求めください。