江戸時代、おしゃれ心旺盛な人々は、絵画や書、印、鑑賞のための絵本などから発想を広げ、そのなかのモチーフを
自由にアレンジしたり配置を工夫したりしてユニークな意匠を生み出し、仲間内で競ったりして楽しんでいた・・・
先月の京都染織文化協会のセミナーで、そんな楽しい話をしてくださった大久保尚子氏が、着物関係の展示計画と解説等を
担当された「着物と装身具に見る江戸のいい女・いい男」展が、まもなく開催されます。
「本展は小規模ながら、約200点の展示品ラインアップは、専門博物館に引けを取らないような充実ぶりです。
ちょっと変わった意匠の作品にも出会えます」とのことで、楽しみです!
大久保氏の講演をはじめ、落語や結髪実演など展示関連イベントも多彩ですよ〜!

着物と装身具に見る江戸のいい女・いい男

たばこと塩の博物館では「着物と装身具に見る江戸のいい女・いい男」展を開催します。
今日では、日本の伝統的衣服である着物屋装身具を着用する機会が少なくなりました。しかし江戸時代から大正時代にかけての江戸(東京)や京・大阪などの都市で生活する人々のあいだでは、着物や装身具は日常的に用いられたほか、個性や斬新さが求められ、洗練された作品も数多く制作されました。さまざまな意匠、素材、技法で制作された作品は、現代でも新鮮なものとして映ります。

本展の中心となる中村コレクションは、三越など百貨店に自社商品を卸す和装袋物製造業兼問屋であった中村清商店の創始者・中村清氏(1887〜1946)が蒐集した、江戸〜大正にかけて制作された染織品のコレクション。技法や素材が素晴らしいもの、変わっているものなど、袋物制作の参考資料として、清氏が昭和初期に蒐集したものです。
和装が洋装に変化していくなか、日本の伝統的文化を後世に伝え、着物や装身具をもう一度見直そうという目的もあったとのことです。

本展では、見事な刺繡の小袖など女性と男性の着物、趣向を凝らした袋物、インドやジャワの古渡(こわたり)更紗、筥迫(はこせこ)、たばこ入れ、金唐草などを素材にした装身具、さらに結髪雛形や化粧道具など、約200点の資料をとおして、当時の人々が持っていた装いに関するこだわりと美意識を紹介します。
これまで広く公開される機会が少なかったものばかりですので、着物、染織、日本の意匠などに関心のある皆様に、ぜひ御覧いただきたいと思います。

会 期:2017年4月22日(土)〜7月2日(日)
イベント10:00〜18:00(入場は17:30まで)月曜休館

会 場:たばこと塩の博物館 2階 特別展示室
イベント東京スカイツリーから徒歩8分 → アクセス

入館料:大人・大学生 100円

公 式:たばこと塩の博物館 公式サイト

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時間

展示関連の催し@3階 視聴覚ホール

【たばしお寄席】 14:00〜 定員:90名
4月23日(日)口演:柳屋小八(噺家) 
解説:新藤茂(国際浮世絵学会常任理事)

【講演会・講座】 14:00〜 定員:90名

5月14日(日)「衣装ときれの小宇宙 袋物商中村清の選択眼」
講師:大久保尚子(宮城学院女子大学生活文化デザイン学科教授)

5月28日(日)「江戸のリッチモンド 青い目が見た幕末の光景」
講師:石倉孝祐(北区飛鳥山博物館学芸員)

6月11日(日)「蘭学領主のお買物 嗜好品を中心に」
講師:近藤貴子(佐賀市大隅記念館元学芸員)

6月18日(日)「史料から見る呉服店三井越後屋」
講師:下向井紀彦(三井文庫研究員)

【展示関連イベント】 11:30〜/14:00〜 定員:各回70名
6月4日(日)「結髪実演 御殿女中のヘアスタイル」
実演:林照乃(結髪師) 解説:村田孝子(ポーラ文化研究所)

*すべて当日整理券制です
*整理券は当日開館時より1名につき2枚まで配布
*配布時に人数分の入館料が必要です