梅雨というのに晴れ続き、さわやかな単衣きもの日和の13日(日)、「第40回 日本染織作家展」に行ってきました。

最初に目に入ったのは、こちら。第40回ということで特別出陳の人間国宝 三代田畑喜八作「田畑コレクション」大正時代の
縮緬地貝桶文様友禅染裾模様の三枚襲です。

人間国宝 三代田畑喜八の手になる京友禅に刺繍も施された三枚襲は、三枚ほぼ同柄、なんと八掛も同柄で描かれています。
お嬢様は白を下に、上に赤を着る二枚襲で。奥方様は、おめでたい席に白・赤・黒の三枚襲で、といった着方をされたそうで、大変贅沢でありながら合理的でもあったようです。

会場を見渡せば・・・今回も、素敵な作品が並んでいます f22

モネに触発されたという美しい色彩の睡蓮、色にも動きのある藤、極く細密な線で描かれた松、モダン絵画のようなバラ

また、今回は「織り」の作品の応募が多かったそうです。
楽しみながら織り、着て楽しむ。そんな女性作家さんの作品は、美しい楽しい色づかいで、ウキウキさせてくれました。

日本染織作家展は、「次の感動」「次の着たい」に誘い得る、NEXTなセンスを感じさせる作品であることを賞の選考基準として重視されているそうです。今回の最高賞は、石田万介さんの「野ブドウ」。まんなかの作品です。
野ブドウの、何本もの蔓が縦に伸び実がなっている様子を、葉の表現に工夫をこらしながら制作されたそうです。

ほかにも、手描き友禅、型染、紅花染、引染、特許の絞り染「すなご染」・・・手法も多様に個性的な作品がズラリ。

初日で夕方から表彰式ということで、作家さんたちが続々。ご自身による作品解説も聞けたのは、とても幸運でした。
この風景をモチーフにしよう、そのときの作家さんの心象、その想いを色やデザインに転生させ表現していかれた過程も、
お話を聞きながら想像し、作品世界を何倍にも楽しめました。

第40回 日本染織作家展の京都展は、京都市美術館別館(ロームシアターの敷地内)で、18日(日)までです。
作家さんが何人いらっしゃるかはわかりませんが、連日午後2:00から列品解説がありますので、この時間に、ぜひ!
お向かい「みやこめっせ」B1Fふれあい館ギャラリーでは「彩で涼む、京の清涼展」もやっていますので、
この週末、岡崎界隈をグルリと楽しんではいかがでしょうか (^^)v

* 例によって会場内は撮影禁止のところ、全体の雰囲気を、ということで許可を得て撮らせていただきました。
  撮れなかった意匠の細かいところにこそ、技と美の真髄あり。ぜひ、ご自分の目で、お楽しみください。