薄曇の3月18日(日)、建仁寺両足院で開催中の「第67回 京都染色美術展」に行ってきました。
京都染色美術展は「京友禅」「京鹿の子絞」「京繍」の最高峰の技で創られた、きものの作品展です。
庭に面した畳の間は、振袖の間。
ライトに照らされ、雅やかな美しい柄が光をおびて、非日常の空気感です。
ちょっと大奥の雰囲気かも?「姫、お好きな振袖をお選びください」とかいう場面を想像してしまいました。
現代の姫たちに贈る老舗の新作には・・・お気づきになりました?五輪の文様も潜んでいますよ( ↑ 右の作品)。
今回は、鮮やかな色や濃い色を地色にした、個性の強い柄が多い印象を受けました。
なかには黒の地色に大胆な柄の振袖も。
昼間の光の中へ出て、庭の景色を眺めながら、ぐるりと次の間へ。
こちらは「西陣手織協会」6社の帯が展示されていました。
品よく豪華な帯、じんわり光沢の美しい帯、
糸が凸として雪だるまみたいで楽しい洒落帯まで、
手織り、というところは共通でも、作風は各社各様。入魂の物づくり、という言葉が浮かんできます。
今回、もうひとつのテーマは「羽織」です。羽織は外装でありながら、室内でも脱がなくていい唯一の羽織もの。
昨年はレースの長羽織が流行りましたが、それで羽織の魅力に目覚めたという方も、いらっしゃるのでは。
「僕ら男性は、きものには羽織が必需品ですが、女性は帯を見せて歩きたい人も多いでしょう。でも帯を隠して「羽織る」というのも、きものの文化です。文化としても、おしゃれアイテムとしても、もっと注目していただけたらと思い、テーマにしました」と主催者さん。
姫丸は帯は見せたい!ほうですが・・・さすが染色美術展、羽織を素敵に着てらっしゃる、きもの上級者さんが幾人も。
これだけの数おしゃれな羽織を見てしまうと、このきものにはこんな羽織を合わせて、と思わずにいられなくなるかも。
なんだかハマっちゃっいそうでヤバイな〜と思いつつ、細かいところまで凝っていて美しい・・・を堪能しました。
お寺での開催ということで、展示作品は振袖・帯・羽織のみと点数は例年より少なかったのですが。
たっぷり見た〜という充実感は、きっと1作品ごとに制作者さんの想いやパワーを強く感じられたから、でしょう。
* 会場内は撮影禁止のところ、全体の雰囲気を、ということで許可を得て撮らせていただきました。
撮れなかった意匠の細かいところにこそ、技と美の真髄あり。ぜひ、次回ご自分の目で、お楽しみください。
京都染色美術協会16社の公式サイトには、きものづくりへの「こだわり」や美しい画像が!
木村染匠(手描き京友禅)、藤井絞(絞り染め)、絵絞庵(辻が花染め)、片山文三郎商店(絞り染め)、多ち花(摺型友禅)、京正(糊糸目友禅)、吉川染匠(手描き京友禅)、染匠市川(手描き京友禅)、村山刺繍店(刺繡)、成謙工房謙蔵、染の小阪、染繍工芸鈴木、関谷染色、手描染匠富宏染工、丸太遠藤、矢野染芸