昔ながらの手法による植物染で日本の伝統色を染め、染織史家としても活躍された「染司よしおか」吉岡常雄・幸雄親子の仕事を紹介する回顧展が、愛知県岡崎市美術博物館で開催されます。
関西以外では初となる開催で、『古代史や王朝文学を彩る日本の伝統色を現代に復元した数々の染織品の展示』『平安時代&古典文学ファン必見!源氏物語の登場人物がまとう色彩を再現』が見どころだそうです。
日本の自然から生み出された美しい染色の文化、日本の伝統色の鮮やかな色彩世界へ♪

「至高の紫 典雅の紅 王朝の色に挑む」

情熱と職人技でよみがえる 色彩が織りなす華麗なる王朝絵巻
古代、染織品は美と富の象徴でした。そのまばゆい色彩は人々を魅了し、特に紫などは貴重な色として尊ばれました。
現在では失われてしまったこれらの色を追い求めたのが、京都で江戸時代から続く染色工房「染司(そめのつかさ)よしおか」の4代目・5代目当主にして染色家の吉岡常雄・幸雄親子です。
彼らは、古来の文献をひもとき、美術工芸を学び、世界各地の染織品と技術を訪ね歩いて、自然の染料による日本の伝統色の再現に努めました。
その仕事は、特に社寺の祭祀や、古典文学、中でも『源氏物語』にみる色彩や装束の再現・復元として知られています。
本展では、あくなき探究心と情熱により現代によみがえった王朝の色彩をご紹介します。

【展覧会構成】

第1章 日本の伝統色 自然素材の染料
第2章 政(まつりごと)と祈りの色彩
第3章 平安 王朝文学を彩るかさね色
第4章 吉岡コレクション 幻の色を求めて

【特別展示】
鉄砲鍛冶の国友衆が徳川家康から拝領した小袖「花菱亀甲文辻ヶ花小袖」復元
徳川家康の生誕地である岡崎市での展覧会開催に合わせて、吉岡常雄が復元した徳川家康ゆかりの小袖を特別にご紹介。

会 期:2023年 開催中 ~ 11月5日(日)
イベントAM10:00〜PM5:00 月曜休館

会 場:愛知県 岡崎市美術博物館 → アクセス

入館料:一般(高校生以上)1,000円、小中学生500円 → WEB割引

公 式:岡崎市美術博物館 公式案内

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吉岡幸雄(よしおか・さちお)プロフィール
昭和21年、京都市生まれ。昭和48年、図書出版「紫紅社」を設立。美術工芸の雑誌・全集・豪華本などを編集・ 出版。CM制作、美術展覧会の企画にも携わる。昭和63年、生家「染司よしおか」五代目当主を嗣ぐ。平成3-5年、薬師寺三蔵院の幡、薬師寺「玄奘三蔵会大祭」の伎楽装束、東大寺の伎楽装束を制作。平成20年、源氏物語の色五十四帖を再現。平成21年、京都府文化賞功労賞受賞。平成22年、菊池寛賞受賞、平成24年、NHK 放送文化賞受賞。令和元年9月、出張講演先にて急逝。
主な著書: 『日本の色辞典』・『源氏物語の色辞典』・ 『王朝のかさね色辞典』(紫紅社刊)、『千年の色 古き日本の美しさ』(PHP研究所)など多数。

京都の染織史家 吉岡幸雄と染色工房の公式サイト → こちら

Amazonで買える、吉岡幸雄さんの本

『日本の色辞典』から、基本となる赤、青、黄の三原色を中心にまとめた普及版。

吉岡幸雄が色を語りつつ、職人としてのその鋭い観察眼を通して、日本人の美意識の歴史を綴る歳時記。

日本古来の植物染で日本の伝統色を再現した、総カラーの色標本・色名解説の集大成。襲の色目42種も掲載。